小学校のオープンスクールや学校説明会に行くと、
子どもたちが生き生きと発表し、自分の考えを堂々と伝えている姿を見ることがあります。
その様子を見て、
「うちの子も、こんなふうに個性を大切にしながら成長してほしい」
そう感じるのは、ごく自然な親心でしょう。
ところが実際の入試では、
強い個性を前面に出す子どもよりも、
話をよく聞き、指示を理解し、落ち着いて行動できる、
いわゆる「いい子」の方が合格につながりやすい場面が少なくありません。
このギャップに、違和感を覚える方も多いのではないでしょうか。
ここでまず押さえておきたいのは、
オープンスクールで見ている子どもたちは、入学時の姿ではないという点です。
たとえば、小学1年生と小学6年生を比べたとき、
「個性が輝いて見える」のは、圧倒的に6年生のほうでしょう。
表現力や語彙、立ち居振る舞い、人前での落ち着き。
それらは、生まれ持ったものというよりも、
6年間の学校生活の中で、少しずつ磨かれてきた結果です。
つまり、入学時点で強い個性を発揮していることが、
そのまま将来の姿につながるわけではありません。
むしろ多くの場合、
個性は「合格の理由」ではなく、「成長の結果」として表れてきます。
学校が入試で見ているのは、
今すでに完成された姿というよりも、
その学校の文化や環境の中で育っていけそうかどうかです。
先生の話を聞こうとする姿勢があるか。
集団の中で落ち着いて過ごせそうか。
周囲と関わりながら学んでいけそうか。
こうした点は、一見すると地味に見えるかもしれません。
しかし学校生活をスタートさせるうえでは、
とても重要な土台になります。
オープンスクールで輝いて見えた個性は、
その土台の上に積み重ねられたものです。
時間の経過とともに育った姿を、
そのまま受験時の基準として重ねてしまうと、
どうしてもズレが生じてしまいます。
小学校受験で見られているのは、
「今どれだけ目立つか」ではなく、
「この先、伸びていけるか」。
まずはこの時間軸の違いを押さえることが、
受験を冷静に捉える第一歩になるのかもしれません。

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