6-1 なぜ「オープンスクールの在校生」と、「入試で選ばれる子」の姿は違うのか

小学校のオープンスクールや学校説明会に行くと、
子どもたちが生き生きと発表し、自分の考えを堂々と伝えている姿を見ることがあります。
その様子を見て、
「うちの子も、こんなふうに個性を大切にしながら成長してほしい」
そう感じるのは、ごく自然な親心でしょう。

ところが実際の入試では、
強い個性を前面に出す子どもよりも、
話をよく聞き、指示を理解し、落ち着いて行動できる、
いわゆる「いい子」の方が合格につながりやすい場面が少なくありません。

このギャップに、違和感を覚える方も多いのではないでしょうか。

ここでまず押さえておきたいのは、
オープンスクールで見ている子どもたちは、入学時の姿ではないという点です。

たとえば、小学1年生と小学6年生を比べたとき、
「個性が輝いて見える」のは、圧倒的に6年生のほうでしょう。
表現力や語彙、立ち居振る舞い、人前での落ち着き。
それらは、生まれ持ったものというよりも、
6年間の学校生活の中で、少しずつ磨かれてきた結果です。

つまり、入学時点で強い個性を発揮していることが、
そのまま将来の姿につながるわけではありません。
むしろ多くの場合、
個性は「合格の理由」ではなく、「成長の結果」として表れてきます。

学校が入試で見ているのは、
今すでに完成された姿というよりも、
その学校の文化や環境の中で育っていけそうかどうかです。

先生の話を聞こうとする姿勢があるか。
集団の中で落ち着いて過ごせそうか。
周囲と関わりながら学んでいけそうか。

こうした点は、一見すると地味に見えるかもしれません。
しかし学校生活をスタートさせるうえでは、
とても重要な土台になります。

オープンスクールで輝いて見えた個性は、
その土台の上に積み重ねられたものです。
時間の経過とともに育った姿を、
そのまま受験時の基準として重ねてしまうと、
どうしてもズレが生じてしまいます。

小学校受験で見られているのは、
「今どれだけ目立つか」ではなく、
「この先、伸びていけるか」。

まずはこの時間軸の違いを押さえることが、
受験を冷静に捉える第一歩になるのかもしれません。


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