23-3 シリーズ③賢い子は何が違うのか 学力とは世界を圧縮する力である

同じクラスで学んでいても、

「覚えるのが早い子」

「なかなか覚えられない子」

がいます。

その違いを見ると、多くの人は知識量の差を思い浮かべるかもしれません。

しかし私は、少し違う見方もできるのではないかと思っています。

例えば、100個の知識があるとします。

学び始めたばかりの子供にとっては、その100個は100個のままです。

一つ一つが別々の知識として存在しています。

だから新しいことを学ぶたびに、覚えるものが増えていく感覚になります。

ところが、学力が高くなるにつれて変化が起こります。

その人たちは、知識をそのまま覚えているわけではありません。

共通点や相違点を見付けながら整理しています。

割合、速さ、濃度、比。

一見すると別々の単元ですが、

「二つの量の関係を考える問題」

という共通点が見えてくると、一つの考え方としてまとまり始めます。

歴史でも同じです。

出来事を一つずつ覚えるだけではなく、

「なぜ変化したのか」

「何が共通しているのか」

という視点で見ることで整理されていきます。

すると100個あった知識が、

50個になり、

20個になり、

やがてもっと少ない考え方へとまとまっていきます。

もちろん知識が減るわけではありません。

頭の中で整理され、見通しが良くなっているのです。

私はこれを、

「世界を圧縮する力」

と考えています。

実際、学習指導要領でも、共通点や相違点に着目して考えることは、思考力・判断力・表現力等を育てる上で大切な視点として位置付けられています。

学力とは、知識を増やすことだけではありません。

知識同士のつながりを見付け、自分なりに整理していくことでもあります。

だから本当に賢い人ほど、多くのことを知っているだけではなく、多くのことをシンプルに理解できるのかもしれません。


シリーズまとめ

このシリーズでは、

  • 「数学は暗記だ!」という言葉の意味
  • 違うものの中に同じものを見つける力
  • 世界を圧縮するように学ぶ姿

について考えてきました。

私は、学力とは単なる知識量ではないと思っています。

共通点や相違点を見付けながら、知識を整理し、つなげていく。

その積み重ねによって、世界の見え方そのものが変わっていく。

本当に賢い人は、たくさん覚えている人ではなく、多くのことを関連付けて理解している人なのかもしれません。


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