前回は、
「どこがわからないの?」
という質問が、実は簡単ではないという話をしました。
子供自身も、自分がどこでつまずいているのか気付いていないことがあります。
だからこそ、先生は答えだけでなく、その過程を見ています。
では、なぜそこまで原因を探る必要があるのでしょうか。
それは、
原因によって解決法が変わるからです。
例えば、算数の文章題が苦手な子供がいたとします。
「算数ができない」
という結果だけを見ると、
「もっと問題を解こう」
という結論になりがちです。
もちろん、それで伸びることもあります。
ですが、本当に原因は算数なのでしょうか。
実際には、
問題文の言葉がわかっていないかもしれません。
文章が長くなると意味を追えなくなるのかもしれません。
計算は理解していても、自信がなくて手が止まっているのかもしれません。
あるいは、問題を最後まで読まずに答えようとしているのかもしれません。
同じ「できない」でも、
見えている原因が違えば、必要な支援も変わります。
語彙に課題があるなら、言葉を増やす経験が必要です。
問題文を読む力に課題があるなら、音読が効果的かもしれません。
自信のなさが原因なら、まずは成功体験を積むことが大切です。
だから私は、
「できないから、もっと解こう」
と考える前に、
「なぜできないのだろう」
と考えるようにしています。
遠回りに見えるかもしれません。
ですが、その子に合わない方法を続ける方が、実は遠回りになることも多いのです。
教育の仕事をしていると、
同じ問題を何度も解けば伸びる子もいれば、
問題を増やすより先に別の支援が必要な子もいることがわかります。
大切なのは、
たくさんの方法を知ることではありません。
その子に必要な方法を選ぶことです。
シリーズを通してお伝えしてきたのは、
「できない」を否定しないということです。
できないことは悪いことではありません。
むしろ、
成長の入り口です。
子供の「できない」を見つけたとき、
そこで終わるのではなく、
その中に何が隠れているのかを探してみる。
すると、これまで見えなかった課題や可能性が見えてきます。
勉強は間違い探しではなく原因探しです。
私たちは問題を見ているようでいて、
本当は子供を見ています。
子供一人ひとりが持つ「できない」の中身を理解すること。
それが、より良い学びにつながると私は考えています。

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