36-2【試験直前の体調管理】管理できるものと、できないもの

前回、私は「体調管理」という言葉に少し違和感があるという話を書きました。

もちろん、睡眠や食事を整えることは大切です。

ただ、その言葉の奥には、

「管理すれば良い状態を保てる」

という考え方が隠れているように感じるのです。

今日は、受験期に管理できるものと、管理できないものについて考えてみたいと思います。

受験が近付くと、多くのご家庭で意識することがあります。

睡眠時間。

食事の内容。

体温。

感染症対策。

どれも大切なものです。

そして、これらは比較的「管理しやすいもの」でもあります。

何時に寝たかは分かります。

朝ごはんを食べたかも確認できます。

体温だって測れます。

だから私たちは、ついそこに意識を向けます。

数字で見えるからです。

ところが、受験期の子どもたちを見ていると、それだけではないことに気付きます。

ある子は、普段より口数が少なくなります。

ある子は、小さなことでイライラします。

ある子は、急に忘れ物が増えます。

ある子は、これまで簡単にできていたことを嫌がるようになります。

保護者からすると、

「最近どうしたんだろう」

と思うような変化です。

しかし、その背景には受験への不安や緊張が隠れていることがあります。

考えてみれば当然です。

大人だって大事なプレゼンや面接の前には緊張します。

落ち着かなくなります。

集中できなくなることもあります。

それなのに、小学生だけが平気でいられるはずはありません。

しかも子どもたちは、

「不安です」

「プレッシャーを感じています」

と上手に言葉で表現できるとは限りません。

だから気持ちの変化が、

態度や行動として表れることがあるのです。

こうしたものは管理できません。

不安をゼロにすることはできません。

緊張を消し去ることもできません。

プレッシャーから完全に守ることも難しいでしょう。

けれど、気付くことはできます。

今日は少し元気がないな。

最近、よくため息をついているな。

何か気になることがあるのかな。

そんな視点を持つことはできます。

私は受験期の保護者に必要なのは、管理する力よりも観察する力だと思っています。

睡眠時間を確認することも大切です。

体温を測ることも大切です。

でも、それと同じくらい、

子どもの表情を見ること。

声の大きさを聞くこと。

いつもとの違いに気付くこと。

それが大切なのではないでしょうか。

数字は見やすいものです。

だからつい頼りたくなります。

けれど、子どもの心の動きは数字にはなりません。

だからこそ、

見ようとしなければ見えないのです。

大人に必要なのは、

子どもを管理することではなく、

子どもの変化に気付くこと。

私は受験期だからこそ、その視点を大切にしたいと思っています。


次回予告

最高の体調とは、風邪をひいていない状態のことでしょうか。

もしかすると、試験当日に力を発揮するために必要なのは、特別な管理ではなく「いつも通りの日常」なのかもしれません。

次回は「最高の体調は『いつも通り』の中にある」をテーマに考えてみたいと思います。


コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です