9‐1 新学年で「できなくなった」と感じるときに、最初に知ってほしいこと

新学年が始まってしばらくすると、

「○年生になってから、勉強が難しくなった気がします」
「前はできていたのに、最近うまくいかなくて…」

という声をよく聞くようになります。

テストの点数が少し下がったり、
宿題に時間がかかるようになったりすると、
「このままで大丈夫だろうか」と不安になるのは自然なことです。

ただ、ここで一度立ち止まって考えてほしいことがあります。

それは、本当に“できなくなった”のか
それとも、勉強の中身そのものが変わったのか、という点です。


学年が上がると、「新しいこと」だけをやっているわけではない

低学年のうちは、
新しいことを覚え、それをそのまま使えれば、成果が出やすい時期です。

ところが、学年が上がるにつれて、
勉強は少しずつ性質を変えていきます。

  • 新しいことを学ぶ
  • それを理解する
  • さらに、これまでに学んだことを前提として使う

この「前提として使う」力が、
学年が上がるごとに強く求められるようになります。

算数でも国語でも、
「前の学年までは通用していたやり方」が、
少しずつ足りなくなっていきます。


「分かっていた」と「使える」は、同じではない

保護者の方からよく聞く言葉に、
「前の学年では理解できていたと思うんです」というものがあります。

この感覚は、決して間違っていません。
実際、その学年の内容としては「分かっていた」ことも多いです。

ただし、

  • 思い出すのに時間がかかる
  • 使う場面が変わると途端に迷う

という状態だと、
次の学年ではうまく機能しなくなることがあります。

学年が上がるほど、
分かっているかどうかより、スムーズに使えるかどうかが問われるようになるからです。


つまずきは、成長のサインでもある

新学年で戸惑いが出るのは、
決して珍しいことでも、悪いことでもありません。

それは、
より高いレベルの学びに入ったサインでもあります。

大切なのは、
「できなくなった」と決めつけることではなく、
今、どこが変わり始めているのかを見極めることです。

次回は、
この変化が特に表れやすい「計算」に焦点を当て、
なぜケアレスミスが増えたように見えるのかを、
もう一段深く掘り下げていきます。


コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です