9‐3 計算の工夫で、暗算は「速く」より「安定して」使えるようになる

第2回では、
ケアレスミスが増えたように見える理由は
「集中力」ではなく、
計算回数が増える構造にある、という話をしました。

では、どうすれば
その計算回数を減らすことができるのでしょうか。

ここで大切になるのが、
計算の工夫という視点です。


暗算の目的は「書かないこと」ではない

暗算というと、
「速く答えられること」
「何も書かずに解けること」
をイメージされがちです。

しかし、FUYUNOで大事にしている暗算は、
処理を減らし、確実性を上げることにあります。

つまり、
たくさん計算する暗算ではなく、
計算そのものをまとめる暗算です。


かけ算の工夫

数を動かして、計算を軽くする

たとえば、かけ算では

かける数を2倍(4倍)し、
かけられる数を半分(1/4)にしても、答えは変わらない

という性質があります。

この性質を使えば、
どちらかの数を10や100に近づけることができ、
計算は小数点の移動や0の処理だけで済むようになります。

例:24×5=12×10 24×25=6×100 など

また、
二桁×二桁の計算でも、
この考え方を使って
三桁×一桁の形に変えることで、
計算回数を大きく減らすことができます。

例:52×12=104×6 81×18=162×9 など 


割り算の工夫

「割る5」を「割る10」に変える

割り算でも同じです。

たとえば、
5で割る計算は、
割られる数と割る数を両方2倍することで、
10で割る形に変えられます。

例:320÷5= 640÷10 8400÷50=16800÷100 など

すると、
複雑な操作をせずに、
小数点を動かしたり0の処理だけで答えが求められます。


計算が減ると、暗算は安定する

こうした工夫を重ねることで、

  • かけ算と足し算を何度も繰り返す
    状態から、少ない操作で答えにたどり着く

形に変わっていきます。

結果として、

  • 暗算が速くなるのではなく、暗算が崩れにくくなる

という変化が起こります。


書かない計算は「最終形」

FUYUNOでは、
最初から「書かない」ことを求めません。

  • 必要なところは書く
  • 整った計算が頭の中に残る
  • その延長として、暗算ができる

という順番を大切にしています。

計算の工夫を知り、
暗算を適用できる範囲を広げていく。

それが、
学年が上がっても崩れにくい計算力につながります。



インド式算数の活用や、
平方数を覚えることで見積もりを立てる方法など、
暗算をさらに広げる工夫については、
別の記事で扱う予定です。


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