22-3 シリーズ②暗記教育は悪だったのか 暗記量は本当に減ったのか

中学校で学ぶ英単語の数は、私たちが子供だった頃より大きく増えています。

それなのに、教育について語るときには「思考力の時代になった」「昔のような暗記は不要になった」という話を耳にすることがあります。

私は、この二つの話が少し結び付かないように感じています。

もし暗記が不要になっているのであれば、覚える量も減っていくはずです。しかし実際には、子供たちは今も多くの知識を身に付けることを求められています。

では、何が変わったのでしょうか。

私は、知識の価値が下がったわけではないと思っています。

ただ、知識そのものを評価するだけでなく、その知識をどう使うかまで見られるようになったのです。

一方で、「まず知識を覚えて、その後に思考力を育てる」という考え方にも少し違和感があります。

学びはそんなにきれいな順番では進まないからです。

例えば、ある現象について疑問を持つとします。

すると、その理由を知りたくなります。

知識を得ることで考えが広がります。

そして考えているうちに、また新しい知識が必要になります。

学びの現場では、この繰り返しが常に起きています。

知識を得ることと考えることは、別々の活動ではありません。

お互いを支え合いながら進んでいくものです。

だから私は、「暗記の時代が終わった」とも、「まず暗記が大事だ」とも思いません。

知識と思考は対立するものではないからです。

覚えることで考えが深まり、考えることでさらに学びたくなる。

そんな循環こそが、本来の学びの姿なのではないでしょうか。


シリーズまとめ

このシリーズでは、

  • 丸暗記と理解は違うこと
  • 昔の優秀な人たちも知識を関連付けながら学んでいたこと
  • 暗記量そのものは今も重要であること

について考えてきました。

私は、「暗記か思考力か」という議論そのものに少し違和感があります。

知識を得ることで考えは広がります。

考えることで新しい知識が必要になります。

そして、その知識がさらに新しい思考を生み出します。

学びとは、知識と思考が互いに影響し合いながら成長していく営みです。

だから大切なのは、どちらかを選ぶことではありません。

知識と向き合い、考え、また学ぶ。

その繰り返しの中で、本当の学力は育っていくのだと思います。


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