「数学は暗記だ!」
初めてこの言葉を聞いたとき、私は少し驚きました。
数学といえば、考える教科というイメージがあります。暗記とは正反対の場所にあるようにも感じます。
実際、この言葉は精神科医であり受験指導でも知られる和田秀樹先生が提唱した考え方として有名です。和田先生の言う「暗記」は、公式を丸暗記するような意味ではありません。解法や考え方のパターンを理解し、使える形で身に付けることを指しています。
ここで面白いことがあります。
私たちは普段、
- 知識
- 理解
- 思考力
を別々のものとして考えがちです。
しかし、本当に学力の高い人たちは、それらをそれほど明確に分けていないのかもしれません。
例えば数学の問題を見たとき、
「この問題は前に見た考え方と似ている」
「この条件ならあの解法が使えそうだ」
と考えます。
一見すると思考しているように見えます。
しかし本人からすると、過去の経験や解法の知識を活用している感覚なのかもしれません。
つまり、ある人が「思考力」と呼んでいるものを、別の人は「知識」と捉えている可能性があるのです。
その違いは、知識の量ではなく、知識の捉え方の違いなのかもしれません。
私は、「暗記か思考力か」という議論に違和感を覚えることがあります。
なぜなら、本当に学力の高い人たちほど、その二つを分けて考えていないように見えるからです。
もしかすると、私たちが思っている以上に、思考力と知識の境界線は曖昧なのかもしれません。
次回予告
割合、速さ、比、濃度。
一見すると別々の単元ですが、学力の高い人には同じように見えていることがあります。
次回は「同じことに見える人」というテーマで考えてみます。

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